東京都御蔵島における猫の不妊去勢事業

1970/01/01

御蔵島

 

伊豆諸島の一つ、東京都「御蔵島」

イルカウォッチングで有名な東京都御蔵島(伊豆諸島)は、貴重な自然が残る周囲16キロの小さな島です。もともとこの島に猫はいませんでしたが、近年になって持ち込まれた数匹の猫が、温暖な気候や外敵のいない環境で野生化して繁殖を繰り返し、推定300匹ほどにふえてしまいました。

御蔵島に繁殖のために飛来する数百万羽のオオミズナギドリという鳥は、その繁殖期間中、猫たちの格好の捕食できる餌となり、かなりの数が食べられてしまうことが問題視されると共に、営巣を終えたオオミズナギドリが島からいなくなる冬場は、飼育されている鶏や干物を狙うため、島民との間に軋轢も生じていました。

 

 

こうした中、猫たちに不妊去勢手術をして繁殖を食い止めることで被害を減少させたいと考えてくださった御蔵島役場の事務担当者のご尽力により、御蔵島の動物被害対策として、飼い主のいない猫の不妊去勢手術の実施が、平成20~22年の継続事業として行政サービスの先駆的事業の中に盛り込まれました。

不妊去勢を実施

冬場の1カ月間、獣医師を招聘して、島内に設営した簡易手術室で捕獲機にかかった猫たちを次々に手術した結果、20年度の手術実績は104頭、21年度は72頭、22年度は53頭、3カ年で述べ229頭の猫たちが手術を終えました。

 外部からの新たな猫の流入がない島という立地では繁殖制限が非常に有効で、手術が徹底できればいずれは猫をゼロにすることも可能ですが、御蔵島の猫はほとんどが山間部に生息しているため、全頭を捕獲して手術をすることは困難です。

しかし、相当数を手術することにより爆発的な繁殖を防ぎ、共存できる程度の頭数に抑えることは可能なため、この事業は動物被害対策として大変効果的と言えるでしょう。

 

手術室

現在、平成23~25年の第2次の継続事業が行われており、23年度は30頭が手術済みです。

この先駆的事業の継続により、野生動物、人間、猫が、小さな島で穏やかに共存できることを願ってやみません。

 

 
 

手術室