二酸化炭素による殺処分

1970/04/11

現在日本のほとんどの自治体が採用している二酸化炭素(炭酸ガス)による殺害方法は、処分場(保管場所)には立ち入らせていただいるものの、処分自体をつぶさに観察していません。
そして薬殺を見せてもらって話を聞かせてもらった自治体の職員の方々も、二酸化炭素による殺害現場をきちんと見たことが無かったのです。
見た方もいましたが、小さな小窓でほとんど見えない状態だったり、ケージに入れ処分機にいれても見えない書分岐である状態だったりということでした。
 
これではどちらがいいとはっきり述べることは確かにできません。
私たちは自治体Bに処分の見学を申し込み、許可をいただくことができました。

二酸化炭素による殺処分の現実

朝一番で自治体Bの施設を訪ねました。
その日処分する犬たちを板で人がじかに追い込んでいきます。
犬たちは凶暴どころか肉体的にも精神的にも弱っており、抵抗する力も残されていない犬ばかり。
抵抗して足を踏ん張ってもすぐに引きずられていきます。人がじかに接していても、人に危険はほとんど無い様子です。
危険があるとすれば、恐怖心から抵抗をするときだということです。試用することに抵抗を感じているということではありましたが、最後まで動かない犬は、捕獲棒で連れて行かれます。そして追い込みの機械で、ガス室にいやおうなく追い込まれていきます。
このとき、犬たちは何が起こるのか、まだわからないという表情でした。二酸化炭素は無味無臭です。ガタンと音を立ててドアが閉まり、シューとガスがで始めても、はじめのうちは何が起こっているのかわからないという顔をしていました。犬の何頭かとこのとき目が合いました。
そして、数秒後、犬たちは異変を感じ、叫びもだえ始めます。身体の弱い犬から次々に倒れました。
元気な犬は長い間倒れず、一生懸命に空気を吸おうと頭を上にもたげ、必至で呼吸を試みますが、二酸化炭素濃度はその時は既に90%に近づいていました。痙攣をしながらたおれ、倒れた後も息を吸おうと頭を高く上に上げます。足をばたつかせ、次第に動かなくなりました。
この犬にとっていったいどのあたりが麻酔鎮静作用だったのでしょうか。
全頭が動かなくなるまで、10分弱・・・
倒れて動かなくなってから、ときどき体が痙攣することがあったのですが、このときは酸素欠乏による体の反応であったと思います。その時はおそらく「麻酔鎮静」効果が作用した後だったでしょう。
ガス室の二酸化炭素濃度が90%になったところで、ガスの注入を止め、その後15分ほど放置します。

その後、職員が一頭一頭、遺体を整えながら心臓に手を当て、死亡を確認しました。
 

そして・・・

焼却ラインには、犬たちのやわらかい糞尿だけが、残されました。

麻酔状態にならない

現在多くの自治体が採用している二酸化炭素によるガス殺という方法について、自治体の職員の方々・環境省は、二酸化炭素には麻酔作用があるため、安楽であるという言い方をする場合があります。私たちはこの目でその正当化の間違いを確かめました。
麻酔は、苦痛を感じないようにするためのものですので、苦痛を感じる前に作用していなくてはなりません。
しかし、二酸化炭素の場合は、精神的な恐怖だけでなく、窒息しもがくという過程を経た後、(沈静・麻酔作用というより)こん睡状態になり、倒れています。
この順序は、環境省がだしている殺処分方法の指針にも書かれています。
そこに付け加えられている「沈静麻酔作用」という記述が、現在の殺傷方法を肯定する根拠となっているのです。
そして「できるだけ苦痛の無い方法」というあいまいな基準が現状を改善しない根拠になっています。
 
二酸化炭素の殺傷方法は無くならなくてはなりません。
処分場につれてこられる動物は、それまでも決して幸せだった動物ではないのです。
私たちが見た子は、がりがりにあばらが浮き出るほど痩せ、癌が体中にぼこぼこできていました。
死亡確認をした職員の方はその子の歯を見たら決して年を取った子ではなかったと言っていました。
どのような飼育をされたのでしょうか。
おなかいっぱい食べたことはあったのでしょうか。
幸せだった瞬間はあったのでしょうか。彼らには殺される理由は何一つないのです。

そんな動物たちが、最期の瞬間まで苦しみ抜かなくてはならないとは・・・
 

殺処分方法の改善を!

お住まいの地域の行政(衛生課や保健所や動物愛護(保護・処分)センター)に、処分方法を確認し、改善を要望してください。
※横浜市・山口県・新潟県など一部の自治体では方法が改善されています
動物行政担当窓口一覧 ※環境省のサイトにリンクします
 
これまで私たちは無責任な飼い主に対し「安楽しては無い」という言い方で説得することがありました。
薬殺と知ったら無責任な飼い主が増えるのではないか・・薬殺に変わったら言えなくなるという一点のみが不安な点でした。
しかし、薬殺処分の自治体の職員の方は、「そんなことはなく、なぜなら飼い主はほぼ全員が安楽死と思って放棄しようとするし、下手をすれば里親を見つけてくれると思っている」 と話しました。
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