埼玉県動物愛護行政を知る

2015/02/02

各都道府県によって、センター事業や取り組みに、若干の相違を感じ、より良い取り組みがあれば、全国に普及したいと思い取材を試みました。今回取材を受けて下さったのは埼玉県動物指導センター本所(熊谷)と南支所(さいたま市)。

譲渡業務

本所には、2011年に譲渡施設が併設されました。内部は、とても清潔に保たれ、医療を施せる部屋も用意され、全ての出入口には消毒液が置かれており、犬猫とも室内やゲージ内の清掃は行き届いていました。しかし、現状は職員さんやボランティアさんの手が薄く、譲渡対象とされる犬猫は、ケージ数より遥かに少ないでした。携われるボランティアさんは、ドッグトレーナーの有資格者に依頼しています。譲渡の際、きちんと躾けられた状態で引き渡す為です。一度譲渡対象になった犬猫は、譲渡が長引こうとも殺処分は無いとの事でした。
譲渡される場合、里親希望者は講習会を受ける必要があります。講習内容は、避妊去勢の必要性や、飼育管理や躾等。幾度かセンターに来て頂き、対象の譲渡動物と会ってもらい、2時間程度の講習を受講し、譲渡に至ります。

動物愛護推進員の取り組み

埼玉県では公募により、現在150人程の動物愛護推進員が、埼玉県より委嘱されています。
【推進員活動】
●譲渡あっせん
●地域住人からの相談
●地域住人への啓発
●地域でのトラブル(行政への橋渡し役)
●生体販売取扱い業者講習会への参加資格を持つ
推進員は、啓発活動等は自主的に行う事は出来ますが、あくまでも相談が来ない限り、問題があるお宅や敷地等、公的ではない場所では、自発的に活動する事は出来ません。現在は政令指定都市と中核市も活動域としては許可されていません。
【猫の問題に対する活動例】
野良猫問題(地域猫)の取り組みとして、地域住民への理解を得る。地域の野良猫数やトラブルの把握。自治会へ実態調査を報告し、協力を依頼する。地域の方々を巻き込むため、理解を得る為に、自身の足で動き、実態調査をしている。
【犬の問題に対する活動例】
犬の場合も、猫同様に実態調査をし把握しておく。トラブル案件等、行政へ指導依頼や橋渡し。
その他、様々な有資格者は活動のフィールドを広げ、イベントや講習会を主催したり、犬のしつけ教室等を企画し、犬猫との付き合い方や適正飼育を広める活動をしています。推進員は、あくまでボランティアであり、活動内容や場は、行政からの指示ではなく、許可がおりている場で、自ら模索思案し、活動をしています。
なお、マニュアルには、毛皮を着用しての活動を控えることということも記載されています。

【感じたこと・反省点・改善点等】

今回、取材をさせて頂き感じた事は、職員の意識や熱意によって、取り組みに若干の相違があると感じました。
印象的だったのは、現場の職員も私たち同様に、日本にも、明確な適正飼養管理の基準を設けるべきだと考えてらっしゃったこと。一般飼養者はもちろんの事、保護団体や施設等にも基準を設けるべきであり、殺処分から命を助ければ良いだけではなく、その後の飼養管理も重要であり、人とも触れ合えず、散歩もままならない繋がれっぱなしの環境では幸せとは言えないと仰っていました。
このような考えの職員がいる県であれば、意見や要望をし道を開拓して行くこともできると感じられた内容でした。